建設業者様からたまに聞くお話として、少量なら産廃の許可が無くても運搬できると聞いたのですが、可能ですか?
と、お問合せいただくことがあります。
確かに無許可で収集運搬できる場合があるのですが、少量という理由のみで無許可運搬は許されてはいません。
今回は、「例外規定である無許可運搬」について説明したいと思います。
建設現場で排出される産業廃棄物の処理責任は元請業者にあります。
これは、2011年4月施行の改正廃棄物処理法で明記されたことです。
建設現場では元請と下請が入り組んだ状態で工事が行われるため、産業廃棄物を誰が排出したのかはっきりしないという問題がありました。
そこで排出事業者は発注者から直接工事を請け負った元請業者であると定められたものです。
これによって下請けの建設業者が産業廃棄物を運搬するには、収集運搬の許可が必要となりました。
とはいえ、下請業者にも保管基準の尊守が義務付けられているため産業廃棄物の管理責任の一端を担っていますし、工事の内容によっては過度な制約になりかねません。
そこで、下請業者が排出事業者となる例外規定が設けられています。
次の全ての要件を満たす必要があります
①建物の修繕維持工事または瑕疵補修工事で、請負代金が500万円以下の工事
②特別管理廃棄物ではないこと
③1回あたりに運搬される量が1㎥以下であることが明らかとなるよう区分して運搬されること
④積替え保管をおこなわないこと
⑤運搬先が、元請業者が所有または使用権原を有する保管所であること
⑥産業廃棄物の運搬を行うことがあらかじめ書面による請負契約で定められ、その契約書の写しを携行すること
ポイントは、書面であらかじめ定めた上で、請負契約をすることです。
この点、元請業者の理解が必要となります。
この規定を利用されようと思われている方は、ぜひご留意ください。
少量の廃棄物であれば収集運搬の許可はいらないことに間違いはないのですが
上記からもわかるように少量のみという理由で運搬できるわけではないのです。
要件を満たさずに収集運搬を行うと、下請業者だけでなく元請業者も処分の対象になりますので、ご注意ください。